腕時計の修理事例 ノモス オリオン スモールセコンド キャリバー7001のオーバーホール

修理事例 ノモス オリオン スモールセコンド キャリバー7001

明けましておめでとうございます。
ALLU WATCH REPAIRの伊藤です。

本日はノモス オリオン スモールセコンド キャリバー7001のオーバーホールをご紹介いたします。

ノモス 正面

お客様から【時計が動かなくなってしまった】とのことでお品物をお預かりいたしました。

こちらのモデルはノモス オリオンという時計で、ムーブメントはETA製のキャリバー7001が搭載されております。

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それでは、機械内部を見ていきましょう!

普段使いなさっている時計とのことで、ケースの縁に汚れが溜まっている状態です。

こういった汚れは、後々ケースの腐食を発生させる原因となるので、

ケース洗浄の際にしっかり落としていきましょう。

ノモス ムーブメントアップ① ノモス ケース縁の汚れ

まずは、文字盤(ダイヤル)側の機械を確認すると、

全体的に油が流れて、シミになっていました!

これでは必要な箇所に油が留まらず、一つ一つの部品の摩耗を早めてしまいます。

モリス 油流れ①(文字盤側) モリス 油流れ②(文字盤側)

次に輪列側、針を動かす歯車が集まっている部分も見ていきましょう!

こちら側も文字盤側同様に油が流れてシミになっていました。

歯車の軸にも油の劣化(赤茶色の錆)が付着してたり、

歯先に油がこぼれて付着しているのも確認できました。

これらが原因で、時計が動かなくなっていました。

ノモス 油流れ③(輪列側) ノモス 歯車(油の劣化、油こぼれ)

こちらの部品もしっかり洗浄し、新しい油を注油いたします。

茶色になっていた歯車の軸は銀色の元の色が見えるまで磨きを行い

ゼンマイの劣化も見られたので合わせて交換をし、

部品の組み立て・注油・ケーシングをして作業完了です!

こちらが洗浄後のムーブメントになります。

油が流れてシミになっていた部分も綺麗に落ちていますね(^^)

ノモス オーバーホール後(輪列側) ノモス オーバーホール後(文字盤側)

修理料金 
機械式オーバーホール 29,000円
ゼンマイ交換 3,000円

油は通常、透明なものになるのですが、

このような状態で使い続けると時計の劣化を早めることになります。

オーバーホールは、3年~5年周期でご依頼いただくことをお勧めしています。

時計修理をお考えの方は、お気軽にご相談ください