オメガにとって特別な2019年 特別なタイム・トゥ・ムーブ
スピードマスターが「ムーンウォッチ」として、時計史にさんぜんと輝く金字塔を打ち立ててから50年目の2019年。
オメガは20世紀末からの技術革新ラッシュに沸き、すばらしい外装とすばらしいムーブメントの両方を得るに至りました。
Time To Moveは、そんな自信に裏打ちされた現在のスウォッチグループだからこそ実現できたのかもしれません。
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スピードマスターの輝かしい伝説
モータースポーツを意識して設計され、1957年に登場したスピードマスター。
登場後も様々な試行錯誤が繰り返されますが、その過程で手に入れた優れた視認性や操作性、そして機械式クロノグラフとしてはずば抜けた耐久性は、やがてNASAの職員たちの目にもとまり、1969年にはアポロ11号の宇宙飛行士の腕に巻かれて人類初の月面着陸に同行、「ムーンウォッチ」というツールウォッチとして最高の栄誉を手に入れました。
特別な節目に特別なムーブメント
それからちょうど50年目にあたる2019年。オメガにとって、スピードマスターにとって特別な節目を祝う、様々な企画を用意していました。
その全貌について、とてもここで語りきることはできそうにありませんが、その中の一部だけでもこちらにご紹介することにしましょう。
まずはスピードマスターの誕生当初から1968年の第4世代のスピードマスターに搭載されていたキャリバー321の再生産発表。
1942年に生まれ、チラネジ付きテンプとブレゲヒゲゼンマイが紡ぐ18,000振動/時のロービートと、コラムホイール制御の水平クラッチ式クロノグラフ機構を特徴とする、あまりにも古典的なキャリバー321は、1968年に微動緩急装置と21,600振動/時のテンプに置き換えられて精度安定性が大きく改善されたキャリバー861に置き換えられ、姿を消しました。
オメガのキャリバー321のベースであったレマニアのキャリバー2310は、ビーナスやバルジューなどが生産を終了した後も、最後の古典的クロノグラフとして、ハイエンドのウォッチメゾンたちの需要に応えて生産を続けていますが、今回オメガはこの復活にあたって、ミュージアム所蔵の第3世代のスピードマスターに搭載されたキャリバー321をもとに、時計職人や開発者のみならず、歴史学者や研究者までもを動員し、あくまでオリジナルの復刻に努めたといいます。
この新生キャリバー321はどんな外装を与えられて登場するのでしょうか。
発表前からワクワクします。
50年目の、全てがパーフェクトな復刻モデル
これもタイム・トゥ・ムーブに先だって紹介されたモデルですが、1969年にアポロ11号による快挙を記念して、初めてK18ゴールドで作られたスピードマスターの1014本のみの歴史的限定モデルの復刻、スピードマスター アポロ11号 50周年記念 リミテッドエディションが登場。
文字盤の6時位置、最外周のシグマ表記に至るまで忠実に再現された外装は、オリジナルに極めて忠実でありながら、ケースとブレスレットはオメガ独自のパラジウムを多く含むK18ムーンシャインゴールドで、バーガンディのベゼルはセラミック。そして風防はへサライトではなくボックス型サファイアクリスタルと、経年変化に強い現代的素材で置き換えられています。
しかしこのモデルの最大のハイライトは、これが初登場となる伝統のキャリバー861のマスタークロノメーターチューン、キャリバー3861でしょう。
半世紀の熟成を経て、絶対的な信頼性と耐久性を誇るキャリバー1861をベースに、最新技術によって3層式のコーアクシャル脱進機と、大径のフリースプラングテンプを押し込み、15000ガウスの強力な磁場に影響を受けない強力な耐磁（たいじ）性能に加え、ストップセコンド機能まで追加されたキャリバー3861は、大いに語られるべきムーブメントといえるでしょう。
オメガの2019年はまだ始まったばかり
オメガにとって特別な2019年、コンペティターたちの追従を許さない多種多様な最新技術をさらに発展させた新作ラッシュはとどまる気配を見せず、未だにキャリバー321の搭載モデルも、ヒントすら出ていない状況です。
今後のオメガがますます楽しみです。
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