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ロレックスの2019年の値上げをどう見るか?

ロレックスの2019年の値上げをどう見るか?

2019年2月に日本ロレックスが値上げを発表するらしい、との噂は現実のものとなりましたが、その実はプラチナ製や、ゴールド製の一部モデルの価格調整レベルに限られたものとなりました。

希少なヴィンテージはもとより、現行の多くのモデルにまで至る現在のロレックスの高騰は、国際経済の発展とともに台頭してきた新たな市場が後押しする、過去に例を見ない安定感を伴うもの。
この青天井にも見える価格の高騰は、ロレックスにとってどのような意味を持つのでしょうか。そして当のロレックスはどんな手を打ってくるのでしょうか。注目してみましょう。

2020年のロレックス値上げについて
2020年のロレックスの値上げについて

ロレックスの2019年3月1日に行われる価格改定について

ウォッチメーカーとして世界最大の規模を誇るロレックス。

その人気は香港、アメリカ、ヨーロッパ諸国などの古くからの市場にとどまらず、近年の国際経済の発展とともに高まりを見せる新しい需要によって、さらに強力に後押しされるようになりました。

ここ数か月の間に日本以外の複数国や地域において、立て続けに値上げを発表しているロレックスですが、昨今の品質向上に伴う腕時計価格の高騰が、時計業界全体の失速の原因になりかねないとも言われる現在。
日本ロレックスによる値上げは、史上最高レベルの高騰を続ける並行品の更なる値上がりにも直結する危険性をも伴うのです。

それでも今年の2月には日本ロレックスの価格改定が発表されるとの噂が今年の初め辺りから流れていましたが、有力正規店による情報では、3月1日に価格改定が決定しているといいます。

今回対象となるモデルは、プラチナ製のデイトナ、エバーローズゴールド製のデイトナ レインボー、エバーローズゴールド製、およびイエローゴールド製のスカイドゥエラーとごく一部に限られていました。
しかも値上げ幅は1%程度と微調整にとどまる見込みとのことで、全モデルにわたる本格的な値上げについては今回は見送られたと考えて良いでしょう。

2015年に行われた値上げから4年が経過した今年、果たして価格改定第二弾はあるのでしょうか?

「なんぼや」はロレックスの相場動向をつねにチェックしており、最新相場にもとづく査定を行っています。
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デイトナの並行店での相場動向

デイトナの並行店での相場動向

世界中で日々生まれては消えていく、数えきれないほどの多種多様な腕時計の中で、時代を超え、国境を越え、最も有名で、最も広い支持を集める時計界の王者、コスモグラフ デイトナ。

その現行モデルであるRef.116500LNは、先代であるRef.116520の突出した精度安定性とタフネスを引き継ぎながら、弱点とされてきたポリッシュ仕上げで傷付きやすく、視認性にも難点を持っていたスチール製のベゼルをセラクロムベゼルに乗せ換えることで、その完璧さに一層の磨きをかけたもの。

そんなRef.116500LNが並行店に出回り始めた2016年7月ごろ。
当然のように巻き起こった熱狂に対して、圧倒的に少ない供給量が追い打ちをかけ、国内定価約127万円に対して、並行店の売価は220万円以上という、予想以上の価格高騰を招いたのも、まだ記憶に新しいところでしょう。

その当時は供給量が安定してくれば、時期に落ち着いてくるであろうとの見方が有力でした。
実際に市場に出回り始めて約2か月で、黒文字盤が200万円を切るところまで一旦は落ちたものの、11月の為替の変動を境に上昇を始めると、その後は細かな変動を繰り返しながらも、結局は上がり続け、2018年の12月末には黒文字盤が約260万円、白文字盤が約280万円という史上最高価格を記録しました。

その後はまた下落傾向に転じたものの、約2年間もの間、デイトナは確実に価格を上げ続け、その間値上げ幅約37%という、買い手にとっては何とも手が出しにくい状況が続いたのです。

その他モデルの並行店での価格推移

ロレックスの他の人気モデルについても改めて確認しておきましょう。

例えばダイバーズウォッチの定番としてあまりにも有名な、サブマリーナー デイト Ref.116610。

こちらも同じく2016年の11月くらいまでは、85万円前後で比較的安定して推移していました。
しかし2016年11月の為替の動きとともに上昇傾向に転じ、約半年間に渡って90万円台前半を推移した後、2017年の夏には100万円を突破。
その後も上がったり下がったりを繰り返しながら、結局は上がっていく傾向が続いて、2019年の2月末現在で120万円台の後半を推移する状態となりました。

すなわち黒文字盤のサブマリーナー デイトは、ここ2年半程度の期間で、実質売価が1.5倍にまで高騰しているということになります。

その他の人気モデルについても同じような動向が続いており、中でも近い将来に生産終了が濃厚とみられるGMTマスターII Ref.116710BLNRに至っては、ここ2年間で約1.8倍にまで価格が高騰している状況です。

こうした並行店における売価相場と、日本ロレックスによる価格改定は直接的な影響はないにせよ、この価格高騰に更なる油を注ぐ可能性は否定できず、少なくとも並行店が更なる値上げをするための理由を与えてしまうことになるのは確実でしょう。

現在の高値はロレックスが望んでいるものなのか

現在の高値はロレックスが望んでいるものなのか

自社のプロダクトが高値で取引されることによって、注目を浴び、ブランド価値の上昇につながるという一般的な考え方。
これが国際的オークションにおける最大の顧客は、その時計を作りだしたウォッチメーカー自身だ、といわれる理由とされています。

実際に歴史あるメーカーにとって、所有するミュージアムに並ぶ貴重な時計たちの入手先のひとつとして欠かせないのが、オークションといわれており、会場にその名はなくとも、実際の落札者の一部はその実メーカーの遣いであることは広く知られている事実なのです。

ロレックスに関して言えば、すでにオークションに自ら乗り出していかなくても、これが 意図的であったのか、成り行きであったのかはともかく、これまで培われてきたブランド価値が、多くのレアピースたちに史上最高価格を更新し続けるだけの人気と付加価値を与えるに至っています。
自ら対策を打たなくても、世界中のコレクターやディーラーが、新たな付加価値創造のために日々研究を重ねてくれる。そんな他社にはほぼ有り得ない状況が確立されているかのように見えます。

そんな同業他社にとっては夢のような状況を、それゆえに精巧なフェイクが出回ることへのけん制か、当のロレックスは余り歓迎していないようにかつては感じられたものですが、現在はどうなのでしょうか。

レアピースでも何でもない、現在も生産を続けている「普通の製品」が定価の2倍以上もの価格で売れ続けるだけの強大な力を持つロレックス

そんなロレックスの現在の姿勢はどのようなものなのか。
これが今後またすぐに値上げをしてくるとすれば、明らかにできるかもしれません。

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2018年のロレックス値上げについて
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