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バーゼルワールド 2019 ウブロの世界

バーゼルワールド 2019 ウブロの世界

連鎖が連鎖を呼び、ますます加速する「フュージョン」によって、常に新たな世界を創出し続けるウブロ。その洗練された華やかな世界は、多様化の一途をたどる現代社会が求めるラグジュアリーと見事にマッチしているといえるでしょう。

2019年初頭に多彩な新作を発表したばかりのウブロは、そのわずか2か月後に開催されたバーゼルワールドにおいても、新たな衝撃を与えてくれました。
その尽きるどころか、加速を続けているようにしか見えないクリエイティビティの世界を、少しだけのぞいてましょう。

バーゼルワールド 2019におけるウブロ

2000年代に「フュージョン」の合い言葉の下、その名のとおりの「ビッグバン」を巻き起こしたウブロ。

奇想天外な素材、デザイン、アイディアの「フュージョン」はとどまることを知らず、毎年のように新たな刺激に満ちた新作を次々と繰り出してくる。そのパワフルなクリエイティビティには、ただ驚くしかありません。

言葉を選ばずに言えば、全てに貫かれるのは「理屈抜きの格好良さ」であり、そのディテールへのこだわりは、プロダクトをよりラグジュアリーに、よりピュアに研ぎ澄まし、独自の世界観を明確なものとしてきました。

そして2019年の1月にもトゥールビヨンからアートピースに至るまで、30モデルもの新作を発表していたばかりのウブロは、そのたった2か月後に開催されたバーゼルワールドにおいても、全く新しいデザインのモデルからハイジュエリーピースまでの多彩な新作を繰り出し、会場を大いに沸かせました。

ここではそんなウブロの新作から特に印象深い数点を取り上げてみましょう。

クラシック・フュージョン フェラーリGT

クラシック・フュージョン フェラーリGT

「クラシック」のネーミングに相反するとも思えるスポーティなモダンデザインは、何とこのモデルのためにフェラーリが監修し、作り上げたものといいます。

またクラシック・フュージョンのコレクションとして、初めて自社製のクロノグラフムーブメント、ウニコを搭載したモデルでもあります。

ビッグバン ウニコと同様に、文字盤側に配置されたクロノグラフ機構を見せるために中央部をトランスパレントとし、外周部はモノトーンを基調とした文字盤に、クロノグラフ針やクロノグラフのスタートボタン等に赤の差し色を配しています。
全く新規で作られたラウンドケースは、直径こそ45mmとビッグバンに同じながら、細く、傾斜を付けられたベゼルをはじめ、はっきりと異なる個性と魅力を発揮している点は、さすがと言わざるを得ないでしょう。

ビッグバンビッグバン ウニコ キングゴールド レインボー

ベゼルをバケットカットのサファイアを敷き詰め、インデックスとダイヤル、インダイヤルのフチ、そしてラグにもサファイアをパヴェセッティングしたハイジュエリーピース。

ベゼルだけのレインボーは他にもありますが、レザーストラップまでもをレインボーのグラデーションに仕上げた徹底ぶりは、ウブロならではのものといえるでしょう。

文字盤全体にサファイアをパヴェセッティングした、3針モデルのビッグバン ワンクリック キングゴールド レインボーも同時に発表されています。

華やかな大人の遊び時計として、人気が出そうです。

ビッグバン ウニコ サンブルー II

ビッグバン ウニコ サンブルー II

タトゥー・アーティストであり、ウブロのアンバサダーでもあるマキシム・ビューチ氏による、多角形を象徴的に用いたデザインをフューチャーしたサンブルーコレクションに、自社製ムーブメント、ウニコを搭載したクロノグラフ、サンブルー IIが追加されました。

ケースの両サイドの「耳」やフラットで幅広、そして6本のネジを均等に配置したベゼル等、ビッグバンの特徴を残しながらも、サンブルーならでは複雑な多面体のケースは、サテン仕上げとポリッシュ仕上げの巧みな組み合わせによって、これまで以上に立体感を増しており、そのシャープな輝きはこのモデルのハイライトといえるでしょう。

またクロノグラフになくてはならないもののひとつ、プッシュボタンにもぜひご注目ください。

ケースシェイプを損なわないため考えられた、クロノグラフのプッシュボタン配置への工夫は、現在ではそう珍しいものではありません。いささか大げさな表現かも知れませんが、このサンブルー IIのプッシュボタンについては、意識して探さなければその存在に気付けないほどに、全体のシンメトリーデザインを損なうことなく配置されているように見えます。

またインダイヤルの視認性への配慮からか、長短針が八角形からひし形に改められていますが、この独特の長短針と六角形のインダイヤルの針が重なって時を刻むさまは、まさにサンブルー IIならではの世界といえるでしょう。

そしてトランスパレントの裏蓋から見えるローターにも多角形のモチーフ。

強い個性ゆえ、その好き嫌いで意見が分かれるとは思いますが、3針モデルのみならず、より構成要素の多いクロノグラフをも見事にまとめ上げたウブロの手腕は、見事というほかないでしょう。

ルーペでは見えないウブロの魅力

最近のウブロのプロダクトは、そう言って差し支えなければ、かつてのものとは別次元の仕上がりの良さを見せており、ディテールを大切に積み上げることで初めてにじみ出る緊張感や高い質感を備えるようになっています。

そしてこれが忘れ難い「理屈抜きの格好良さ」を、より分かりやすくしている。

ウブロの魅力は、ルーペで観察できるものではない。そう思えてなりません。

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