バーゼルワールド 2019 シチズン~キャリバー0100の情熱 シチズン
携帯用の時計が生活必需品であった時代、恐らくは全てのウォッチメーカーが目指したのが、「狂わない、止まらない、壊れない時計」であったはずです。
いまやこれを追求し、限りなく理想に近づきつつあるのが、日本のメーカーに限られているという事実は、誰の目にも明らかなはずです。
そんな日本のメーカー、シチズンの情熱あふれる新作に注目します。
世界の時計市場を支えてきたシチズン
日本が誇る時計メーカーとしてセイコーと双璧を成すシチズン。
共に海外の一流メーカーに追い付き、追い越すことを目標として努力を重ね、これを現実のものしてきた歴史を持っています。
お互いに切磋琢磨し、開発競争を繰り広げ、時計メーカーとして、ムーブメントメーカーとして、そしてエレクトロニクスメーカーとして、日本国内のみならず、世界を舞台として時計業界の発展に大いに貢献してきました。
オリジナルのプロダクトを押し出すことを主体としてきたセイコーに対して、シチズンはミヨタの銘によるムーブメントメーカーとしての功績があまりにも大きいと感じられ、特に近年ではスイスのウォッチメーカーを続々と傘下に納めるようになり、セイコーとはまた違った海外戦略を展開しています。
あくまで高精度を目指す一貫性
もともと時計作りには、高精度を目指すという前提があったはずです。
しかしクォーツ時計が機械式時計に取って代わってからというもの、機械式時計の時代には到達不能とされていたレベルの高精度が当たり前のものとなりました。
その後機械式時計の面白さというものが見直され、機械式時計が再び息を吹き返しますが、その際にほとんどの時計メーカーが忘れてしまったのか、もしくは見て見ぬ振りをしているだけなのかは不明ながら、時計にとって大変に重要であったはずの精度について、多くを語らなくなってしまったように思えてなりません。
純粋に精度を突き詰めるなら、やはり機械式だけでは足りないのは明白ですが、機械式時計が売れるようになったことで、純粋に高精度を求めることはしなくなったのです。
やがてクォーツ時計の価値を高めていくための研究開発、別の言い方をすれば腕時計を本質的に進化させるための取り組みについては、少なくともここ30年程度に至っては日本メーカー以外に成果を上げるメーカーはなくなってしまったといえるでしょう。
年差±1秒の衝撃
シチズンは2018年、年差±1秒という究極の精度を実現したキャリバー0100によって、時計業界にセンセーションを巻き起こしました。
シチズンのサテライトウエーブやセイコーのアストロンなどのGPSソーラーは、電波の受信ができなければ通常のクォーツ時計と同等の精度に過ぎず、やはり自力で正確な時を刻む、これに勝るものはないのです。
これはシチズン自らが説明するとおり、「時計の本質を追求する強い意志」の表現に他ならないのです。
他のどの時計が刻む1秒よりも正確な、限りなく研ぎ澄まされた「純度の高い1秒」。
こんなにもピュアで、熱い情熱を表現した言葉がほかにあるでしょうか。
高精度をもたらす独自の技術
シチズンが大切に育て上げてきた光発電システム、エコドライブが生み出す電力で通常のクォーツ振動子の250倍以上の8.4MHz(8,388,608Hz)もの高振動を発生するATカット型水晶振動子、そして温度変化に弱いクォーツ時計を1分ごとに作動して摂氏5度から40度の環境下で最適化を続ける温度補正機能。
さらには「純度の高い1秒」を文字盤上の運針で完璧に表現するための主輪列を構成するパーツをLIGA工法によって製造し、高い技術を持つ時計組み立てマイスターが手作業で組み上げることで、歯車同士のわずかなあそびさえもコントロールしているといいます。
60箇所の秒インデックスのすべてに正確に秒針が重なることを宣言したのも極めて異例なことであり、これもまさにキャリバー0100への絶対の自信が有ってこそといえるでしょう。
時計史上最高の精度を持つ腕時計
そんな現時点で世界最高の精度を紡ぎだすキャリバー0100が、今年初めて腕時計に搭載されたのです。
その外装は念入りに作られながらも、シンプルにまとめ上げたもの。
K18ホワイトゴールド製のケースにアイボリーの文字盤、ブラックのクロコダイルストラップの組み合わせ。
またはデュラテクトaを施したスーパーチタニウムTM製のケースとブレスレットにブラック。
またはブラックシェル文字盤の組み合わせの3種類の限定モデルとして発売されます。
ケース径37.5mmという、今どきの時計らしいラウンドケースは細いベゼルと広くとられた文字盤を与えられており、太過ぎず、かつ存在感のあるアプライドのバーインデックスとプリントされた長めのセコンドトラック、そしてバトン型針の組み合わせ。
高精度機こそ細かな判読性を優先した鋭いインデックスと針を期待したいところですが、シチズンの選択はモダンな印象のものでした。
エレクトリック技術において、日本の技術に追従しようとするヨーロッパの時計メーカーが出現しなくなって久しいですが、この究極といえる年差クォーツ、キャリバー0100が落とした波紋は今後どのような広がりを見せるのでしょうか。
シチズンの今後に注目しましょう。
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