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ローズクォーツ(ローズクオーツ)/Rose quartz

ローズクォーツ(ローズクオーツ)/Rose quartz

ローズクォーツは、石英(クォーツ)の中でもピンク色をした石で、火山岩の一種であるペグマタイト中に産出される宝石です。

透明度の高い石はごくまれにしか採石されませんが、しっかりと色が見られる石はファセットカットされてジュエリーとして、また、半透明から不透明の石は数多く産出されるため、アクセサリーやパワーストーン、彫刻の素材として流通しています。

ローズクォーツの名称の由来や価値、その特徴や石にまつわる言葉の意味などを、詳しくご紹介します。


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宝石の属性

名前 ローズクォーツ
英語名 Rose quartz
和名 紅水晶(べにずいしょう)/紅石英(べにせきえい)/薔薇石英(ばらせきえい)
赤、濃ピンク、ピンク、パステルピンク、ラベンダー、グレープ
グループ(種・変種) 水晶、アメシスト(アメジスト)、シトリン、スモーキークォーツ、モリオン(モーリオン)、レモン水晶、緑水晶、ミルキークォーツ、タイガーアイ
硬さ(モース硬度) 7
光沢 ガラス光沢
化学成分 SiO₂
結晶系 三方晶系
誕生石 10月

宝石言葉・意味

宝石言葉
愛情、優しさ、美と健康
意味
愛情に触れる、優しさが溢れる、美と健康の象徴

産出国・産地

  • アメリカ:アーカンソー/Arkansas
  • ブラジル:ミナスジェライス/Minas Gerais
  • マダガスカル:アンツィラベ/Antsirabe
  • スコットランド:全域
  • ロシア:全域
  • スペイン:全域
  • 日本:山梨県

特徴・特性

ローズクォーツは、火山岩の一種であるペグマタイト(Pegmatite)中に、二酸化ケイ素が結晶化することでできたクォーツ(石英)の中でも、ピンク色をしたものを指します。

ごく稀に産出される、透明度が高く発色の良いものは、ファセットカットされてジュエリーとして使用されることもあります。

その他のローズクォーツは、大きな塊で産出されることが多いものの、半透明から不透明でインクルージョン(内包物)やクラック(ひび割れ)などのあるものが大半です。

発色の要因

ローズクォーツの発色要因は、微量の「チタン・マンガン・鉄」、もしくは「アルミニウムと酸化チタン」、「リン酸塩とアルミニウム」と言われることが多いのですが、実は明確な発色要因は解明されていません

ごくまれに、デュモルチェライト(Dumorcelite)の繊維が発色要因になることもあると、近年のX線元素分析(※1)で判明しています。

発色要因は、産地によっても異なる可能性があり、今後の解明が待たれています。

和名の由来

和名は3つあり、まずは、英語名をそのまま翻訳したものが“薔薇石英”です。

残りの2つは、クラリティ(透明度)が関係するべき名称です。

クォーツ(石英)の中でも透明なものを水晶(Rock Crysta/ロッククリスタル)と言うことから、ローズクォーツの中で透明度の高いものを“紅水晶”、紅水晶を含めた全てのローズクォーツを、“紅石英”というのが正しい呼び名のはずなのです。

しかし実際には、これらのことを意識して名付けられたのか分かっていません。そのため、半透明や不透明なローズクォーツのことも含めて、紅水晶と呼ばれることが主流になっています。

ローズクォーツの偽物

ローズクォーツは、もともとリーズナブルな石のため、本物と見間違えるような偽物は存在しません

しかし、グレードをあげるために、色の薄いローズクォーツや、透明や黄色みを帯びたクォーツ・ロッククリスタルに放射線を照射することで、ピンク色を引き出す処理がなされることはあります。

また、クラック水晶と呼ばれるヒビが多く入った水晶にピンク色の染料を染みこませて、ローズクォーツとして販売されることもあります。しかし、この場合は、ひび割れた箇所にだけ色が入りますので、容易に見分けることが可能です。

ローズクォーツのお手入れ方法

ローズクォーツは、ガラスや鋼鉄にキズを付けることも可能な硬度があり、へき開性と呼ばれる特定の方向に割れやすい性質もないため、お手入れも比較的しやすい宝石です。

通常のお手入れでは、柔らかい布で表面を拭く、もしくはキッチン用の中性洗剤を水かぬるま湯で薄めたものに浸しながら、ブラシなどでこすり洗いをする方法が推奨されます。

ただし、クラック(ひび割れ)なども多い宝石のため、つけ置き洗いや超音波洗浄は控えたほうが安心です。洗剤などで洗った後はしっかりすすぎ、乾いた布で水分を十分に取ったあと、冷暗所に保存しましょう。

なお、注意点としては、紫外線に長時間当たることで退色や変色することがありますので、太陽光などの当たる場所での保管は控えることをおすすめします。

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価値

価値

ローズクォーツは、大きな塊で産出することも多いため、一部の高品質なものを除いては、非常にリーズナブルな宝石です。

しかし、ピンク色のかわいらしい色合いから人気があり、パワーストーンやアクセサリー用として、また、彫刻を施した置物などの素材として需要があります。

色の価値

ローズクォーツは、鮮やかで濃いピンク色のものほど評価が高くなります。濃いピンクのものを高級なものとして、“ディープローズクォーツ”と呼ぶこともありますが、明確な基準はありません。

なお、ピンク色以外にも、ラベンダー色やグレープ色の美しいローズクォーツがあります。これらも宝石質(※2)のものは高い評価になります。

クラリティ(透明度)基準

ローズクォーツのほとんどは、発色要因とも言われているアルミニウムや酸化チタンが鉱物の中に分散して存在するため、不透明から半透明になります。

インクルージョン(内包物)やクラック(ひび割れ)、色ムラなどもほとんどのローズクォーツにあります。

そのため、透明度の高いものは希少で高評価となります。

ただし、同じインクルージョンでも、まれにルチル(針状の鉱物)によるものが要因で、スター効果(アステリズム/星彩効果)と呼ばれる6条の光の線が現れることがあります。

これは、ラウンドカット(丸玉)やカボションカット(※3)をしたものに限定される効果で、 “スターローズクォーツ”と呼ばれ、高評価になることもあります。

なお、このスター効果の出方には、石の表面に光を当てると現れるものと、石の裏側から光を透過させると現れるものがあります。

それぞれ、前者は“エピアステリズム”、後者は“ダイアステリズム”と呼ぶのですが、通常石の裏から光を当てることはほとんどないため、後者の場合、スター効果があることに気付かれないこともあります。

そのため、スターローズクォーツと呼ばれるこれらローズクォーツで、より評価の高くなるものはエピアステリズムとなります。

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