ダイヤモンド原石に関する知識と原石買取のお話
ダイヤモンドの原石には様々な形があり、用途も宝石用や工業用のものがあるなど、その特徴を踏まえて様々な名称で分けられています。
今回はあまり知られていない、宝石用としてのダイヤモンド原石について、どのような形があり、どのようにして宝石になるのか等のお話を中心に、原石は買取してもらえるのかやその見分け方も含めてレクチャーします。
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ダイヤモンドの原石とは?
採掘されたままの結晶の状態を原石と言います。たまにルース(裸石)と原石が混同されることがありますが、ルースは、原石をカット(研磨)した状態を指しますので、全くの別物です。
ダイヤモンドの原石は磨けば光ることから、「君はダイヤモンドの原石だ」といえば、鍛えたり学んだりすることで、開花する可能性を秘めた人材であることを表す比喩的表現としても理解されています。
しかし、実際のダイヤモンドは、磨けばどれもが光り輝くわけではありません。
では、実際にはどのような原石があり、区別されているのか、見分け方を次章で見てみましょう。
ダイヤモンドの原石の種類
採掘されたままの、まだ人の手で加工されていないダイヤモンド原石のことを、「ラフ・ダイヤモンド」「ダイヤモンド・ラフ」等と言います。
これはダイヤモンド原石総体の名称で、この中から宝石として使用されるもの、工業用になるものが分けられ、原石の品質により、いくつかの名称に分けられます。
以下は、宝石として使用されるダイヤモンド原石の種類の名称です。
ソーヤブル
宝石用ダイヤモンドとして利用できる原石の中でも希少で、約20%のみがこの区分に該当しています。
高品質なため、原石もソーヤブルから作られたルースも高値で取り引きされています。
また、採石は、主にアフリカ南部にあるナミビア共和国やロシア連邦にある鉱山でされています。
形としては正八面体であることが多く、様々な形に研磨することも容易です。しかし、美しさを引き出すために研磨の過程で削られる部分は、全体の半分以上におよび、ルースとなる時には原石の42~43%の大きさになってしまいます。
メイカブル
ソーヤブルの次に位置するダイヤモンドの原石で、不定形なため、その形に合わせて研磨される形も決まります。
こちらも宝石用としてカットされますが、形によってカットの種類が限られることと、原石を見極めて最適なカットを施せるか否かで、ルースになった時の輝きも変わるため、カッター(研磨職人)の腕に左右されることの多い原石となっています。
ニアージェム
メイカブルと合わせて、宝石として使用されるダイヤモンドの原石の約80%に該当するのがニアージェムですが、品質としてはメイカブルに大きく劣ります。
工業用に利用される品質にかなり近い原石で、インクルージョンがあり透明度が低いものも多く含まれます。そのため、高級ジュエリーに使用されることはほとんどありません。
レーザードリルホール(LDH※1)が施されたり、表面のヒビなどが入った部分に樹脂を使用したりするなどのトリートメント(宝石を美しく見せるための加工)をすることで、低価格帯のジュエリーに使用されることもあります。
※1 レーザードリルホール(LDH)とは:
輝きの改善のため、レーザーでダイヤモンドに極小の穴を開けて内包物を取り除く技法。
鑑定書に記載され、ないものに比べて資産的価値は劣ります。
原石の形
ダイヤモンドの原石の形(シェープ)は、主に以下の5つに分けることができます。
それぞれの形を利用したカットが施され、ルースになります。
ストーン
ピラミッドを上下に貼り合わせたような八面体の原石で、規則正しい結晶であるため、研磨すると美しいダイヤモンドになります。
主にラウンド ブリリアント カット用として使用される形です。
シェープ
ストーンに近い形の原石ですが、結晶は規則性にややばらつきがあります。
ストーンに次ぐ、品質を誇ります。
クリーベッジ
結晶は不規則で、形もいびつな原石であるため、それぞれに見合ったカットが施されます。
マクレ
双晶で薄く、三角に近い形をした原石です。
主に、ハートシェープやトライアングルシェープにカットされることの多い形です。
クラット
結晶が不規則で薄い板状のクラットは、テーパードシェープやバケットシェープにカットされます。
【コラム】史上最大のダイヤモンド原石「カリナン」
少し話が逸れますが、ここからはこれまでに見つかった史上最大のダイヤモンド原石であるカリナンについてご紹介します。
史上最大のダイヤモンド原石発見
1905年1月25日のこと。南アフリカのトランスバールでプレミア鉱山の最終点検をしていた監督者フレデリックウェルズのもとに、スタッフから慌てた報告が舞い込みます。現場を見てみると、見たこともない程の巨大なダイヤモンドの原石が埋まっていました。
採掘をしたとこと、その大きさはなんと握りこぶし程度。重量は、3106.75カラットにもなります。史上最大の宝石品質のダイヤモンド原石は、当日にたまたま鉱山に来ていたプレミア鉱山の創立者、サートーマスカリナンにちなんで、「カリナン」と名付けられました。
カリナン、海を渡る
カリナンは南アフリカのトランスバール政府(当時は英国の植民地)によって、15万ポンド(約2300万円)で買取されました。その後、南アフリカとイギリスの結束を深める目的で、イギリス国王エドワード7世へと誕生日記念の品として贈呈されます。
なお、「カリナンの運搬には数名の護衛や厳重な金庫などが使われている」といった噂も流れました。しかしそれはフェイクで、本物はふつうの箱に入れられて運ばれたそうです。いずれにせよ、慎重に運ばれたことに違いはありません。
9個の有名なカリナン
カリナンを贈呈されたイギリス王室は、アッシャーダイヤモンド社にカットを依頼しました。理由は、以前に995カラットのエクセルシオーをカットした経験があるためだそう。しかし、史上最大のダイヤモンド原石ということで、カットには長い年月がかかります。結局作業が完了したのは発見から約3年後となる1908年2月10日でした。
カリナンは最終的に、9個の大きな石と96個の小さな石、未研磨のピースに分けられました。そのうちの9個はイギリス王室が今なお所有しています。
カリナンⅠ:グレートスターオブアフリカ(530.2ct)
ペアシェイプカットされた世界第2位の大きさを誇るダイヤモンド。イギリス王室の王笏に飾られ、現在はロンドン塔で展示がなされています。また、王笏から取り外してペンダントにしたり、ブローチとして着用したりもできます。
カリナンⅡ:セカンドスターオブアフリカ(317.4ct)
クッションカットのカリナン。イギリス王室の王冠の前の部分に装飾されているダイヤモンドです。
カリナンⅢ(94.4ct) &Ⅳ(63.6ct):レッサースターズオブアフリカ
ペアシェイプのカリナンで、カリナンⅦと共にメアリー女王の王冠に飾られました。現在はブローチに形を替え、エリザベス女王が身に付けるところが何度か見られています。
カリナンⅤ (18.8ct)
ハートシェイプのカリナン。現在はダイヤモンドを周りに散りばめたブローチとして活躍中とのこと。メアリー王女とエリザベス女王のフェイバリットとの情報もあります。
カリナンⅥ (11.5ct)
カリナンⅧのブローチのドロップへ取り付けられたマーキスカットのカリナン。エドワード7世からアレクサンドラ女王へ、その後メアリー女王からエリザベス女王へと贈られました。
カリナンⅦ (8.8ct)
マーキスカットのカリナン。カリナンⅥ同様、エドワード7世からアレクサンドラ女王へ、その後メアリー女王に贈られました。その際、デリー・ダーバー(Delhi Durbar)ネックレスへと飾られました。
カリナンⅧ (6.8ct)
カリナンⅥと同じブローチの上部に飾られたクッションカットのカリナン。
カリナンⅨ (4.39ct)
ペアシェイプにカットされたカリナンで、カリナンⅨリングに飾られています。
「なんぼや」のダイヤモンド買取について
ダイヤモンド原石の買取について
ダイヤモンドのルースの買取はできても、原石の買取については、あまり聞かないのではないでしょうか?
実際、買取業者の中でも原石の買取をしてくれるところは一部です。
直接聞くのが一番ですが、見分け方としては、ダイヤモンド専門の買取をしている業者か、メレダイヤ等もきちんと査定し買取している業者なら、買い取ってくれる可能性は高いと言えます。
ダイヤモンドの原石に高額査定はあるのか
ダイヤモンドの原石の中でも希少なソーヤブル、形で言えばストーンは高額査定が見込めます。
もちろん、大きさも査定に影響しますので、大きいものほど期待できます。
その他、メイカブルも形によっては相当の査定が出るはずです。
しかし、ニアージェムの場合には、形状や大きさによっては査定が難しい場合もあります。
どんなレベル・形にしろ、買取できることもありますから、ダイヤモンドの原石をお持ちで売却希望の方は、一度査定されてみることをオススメします。
現在、宝石やジュエリーの買取相場が上がっています
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