遺骨・遺灰を使ったダイヤモンド葬が注目の的!気になる値段や注意点
自分や身近な人、大切なペットが人生の最期を迎えたとき、その事実とどう向き合い、どう葬るのかで悩む方は決して少なくありません。身近な人の死と向き合ったり、自分自身の証を確かな形で残したりすることで、心の安定を取り戻すこともあるでしょう。
人間やペットの犬猫が亡くなったあとに残るものといえば、遺灰・遺骨です。実は今、この遺灰や人骨、髪の毛を使ってダイヤモンドを作る技術が注目を集めています。サービス詳細や値段の目安など、気になる点を解説します。
遺灰や遺骨から作る人工ダイヤモンド
現代では、人が亡くなったときにどう供養するのか、幅広い選択肢の中から、故人や家族の希望で選びやすい環境になってきています。従来の形式にこだわらず、新たな形での供養を望む方も決して少なくありません。
遺灰や遺骨からダイヤモンドを作って供養する、ダイヤモンド葬もその一つです。
「遺灰や遺骨からダイヤモンドを作る」と言われても、ピンとこない方も多いかもしれませんが、ダイヤモンドは人工でも生成可能な宝石です。原料となるのは炭素であり、遺灰や遺骨を原料にして作ることができます。
人工とはいえ、ダイヤモンドはダイヤモンドで、偽物ではありません。まるで亡くなった方の魂が込められているように、キラキラとした美しい輝きを見せてくれることでしょう。
遺灰ダイヤモンドの作り方
遺灰・遺骨を使ってダイヤモンドを作る際の手順は、おおむね以下のとおりです。
- サービス提供会社に遺骨を送付する(50グラム~300グラム程度)
- 遺骨を検査する(十分な炭素量が含まれているか等)
- 遺骨から炭素を抽出する
- 不純物を除く作業を行い、黒鉛化させる
- 高温高圧の環境下でダイヤモンドを生成する
- 原石を研磨し、カットを施す
- 注文内容に応じて、ジュエリーへと加工する
- 依頼主の手元に届く
サービス提供内容は、依頼先の企業によって異なります。会社によっては、
- 原石の状態のまま、手元に戻してほしい
- ルースのまま引き渡してほしい
- こだわりのカット方法があり、対応してほしい
これらの要望に応えてくれるところもあります。それぞれの特徴を事前にチェックし、依頼先を決定しましょう。
遺骨ダイヤモンドを作るメリット
遺骨ダイヤモンドには、以下のようなメリットがあります。
- ジュエリーに加工することで、いつも身につけられる
- お墓の維持・管理の不安が発生しない
- 半永久的に美しい状態を維持できる
- ダイヤモンドならではの個性が、故人の生きた証につながる
身につけられるアクセサリーであれば、お墓にまつわる不安やトラブルは一切生じません。いつも身近なところから、残された家族を見守ってくれます。
また遺骨からダイヤモンドを生成する場合、骨に含まれる成分によって色が微妙に変わるという特徴があります。亡くなった方が残した、唯一無二の宝石として、長く愛用できるでしょう。
遺骨ダイヤモンドを作ってくれる会社について
人骨から人工ダイヤモンドを作ってくれる会社は、主に海外に拠点を置く会社となります。有名どころでは、
- アルゴダンザ社(スイス)
- ライフジェム社(アメリカ)
などがあります。インターネットを通じてこれらの会社に直接依頼をすることもできますし、日本国内の各種代理店を通じて、ダイヤモンドに加工してもらうことも可能です。
代理店に依頼する場合、海外の企業にダイヤモンド生成だけを依頼し、ジュエリーへの加工は自社で行うケースも少なくありません。デザイン性や価格などの側面から、ベストな依頼先を選定してみてください。
気になる値段相場
人骨からダイヤモンドを生成する場合の価格相場は、おおよそ40万円~200万円程度です。生成されたダイヤモンドをジュエリーへと加工する場合には、さらにその分の値段が追加されます。
遺骨ダイヤモンドの価格には、以下の3つのポイントが影響します。
- ダイヤモンドの大きさ
- カットの種類
- ジュエリーのデザイン
もっとも影響を与えやすいのが大きさで、希望するダイヤモンドが大きくなればなるほど、価格も上昇していきます。
遺骨ダイヤモンドを作る際の注意点
遺灰や遺骨からダイヤモンドを作る際には、いくつかの注意点も存在しています。依頼前には、ぜひ以下のポイントをチェックしてみてください。
人骨が足りない場合がある
ダイヤモンドを作るためには、原料として十分な炭素量を確保する必要があります。しかし亡くなった方の状況やお葬式の風習によっては、十分な骨量を確保できないケースもあるでしょう。
このような場合には、髪の毛から炭素を抽出し、ダイヤモンドを生成してくれるところもあります。炭素量が足りないと見込まれる場合、髪の毛を残しておくと安心です。
ペットでも対応してくれる企業もある
遺骨ダイヤモンドは、人間のみを対象としたサービスではありません。亡くなったペットの思い出を永遠に残すため、ペット用の遺骨ダイヤモンド生成を請け負ってくれる会社もあります。
とはいえ、小型犬や猫などは、ダイヤモンド生成のために十分な炭素量が確保できないこともあるでしょう。ペットの毛や遺品からの炭素抽出にも応じてくれる企業を選べば、より安心できます。
一度ダイヤモンドへと加工したら、もう元には戻せないこと
人間でもペットでも、身近な人の遺骨・遺灰は非常に重要な意味を持つものです。ダイヤモンドに加工したら、二度と元には戻せません。実際に依頼する前には、じっくりと考え、意思決定することが大切です。
サービスの値段だけではなく、満足いくサービスを提供してくれる企業を選んでください。
まとめ
亡くなった人を常に身近に感じていたい方や、お墓の維持・管理を負担に感じている方にとって、遺骨ダイヤモンドは新たな選択肢の一つだと言えるでしょう。お店では決して売られていない、唯一無二のジュエリーが出来上がります。
日本でも徐々に広まってきている遺骨ダイヤモンド。メリットや注意点たまに入れつつ、検討してみてはいかがでしょうか。