ラピスラズリは9月・12月の誕生石!石言葉の意味は?
9月と12月の誕生石として馴染み深い宝石のひとつである「ラピスラズリ」。深い青色が美しく、古代エジプトやバビロニアでは、「聖なる石」として王族の装飾品に使われていました。日本では「瑠璃」と呼ばれ、群青色の岩絵具の原料として昔から親しまれています。
ラピスラズリとは?
ラピスラズリという名前は、石を意味するラテン語”Lapis”と青や空を意味するペルシア語の”Lazward”からできた混成語です。
高品質のラピスラズリが採れるサリ・サング鉱山はアフガニスタンに位置し、世界一の産出量を誇ります。チリとロシアも名産地として知られており、チリ産は金箔をまぶしたようなパイライトが散っているのが特徴。他方、ロシア産はパイライトを含まずアフガニスタン産と比べると色が暗めです。
ラピスラズリは古くから顔料として使われ、バビロニアやエジプトでは壁画を描くことに用いられていました。また、ツタンカーメン王の黄金のマスクの眉や目の周囲、髭に使われていることや、棺の中に黄金と共にラピスラズリを使った装飾品が入っていたことから、古代エジプトでは黄金と並ぶほど価値が高かったことがわかります。
日本でも、仏教において極楽浄土を飾る「七宝」のひとつとして、金や銀と並ぶ貴重な宝石として扱われていました。
ラピスラズリの石言葉は?
ラピスラズリの石言葉は、「成功の保証」「真実」「健康」「幸運」です。邪気や邪念を打ち払うエネルギーで、成功を掴み取るための知性を与える石と言われています。
精神のバランスを取る効果があるため、考えこみやすい方や、積極性を求める方におすすめです。また、現代医学で証明されているわけではありませんが、肉体面では眼の疾患や、脈拍の安定、てんかんの防止などに効果があるとされています。
ラピスラズリの意味が怖いとされるのはなぜ?
ラピスラズリは、もっとも古いパワーストーンと言われていますが、怖い意味を持つ石として認識されることもあるようです。
ラピスラズリは「ラピスの試練」と呼ばれるパワーを持っているため、身に着けている人に試練を引き寄せると言われています。与えられた試練によって鍛えられた精神は、魂のレベルを高めてくれるのだとか。
また、ラピスラズリは真実を見抜く力を与えてくれると言われています。愛していた人が運命の人ではないと気付く―――そんな悲しい真実も見えてしまうかもしれません。
このように、“試練が与えられる”“真実が見える”という意味に注意を引くあまり、怖い意味を持つと印象がついてしまったラピスラズリ。しかし考えようによっては、幸せを手に入れるための精神力を鍛えさせてくれる石ともいえるでしょう。
金よりも高価な絵具「ウルトラマリン」
ラピスラズリは、「ウルトラマリン」と呼ばれる絵具の原料です。
中世ヨーロッパで、アフガニスタンから地中海を経て輸入されたため「海を越える」という意味で「ウルトラマリン」と言う名が付きました。不思議な透明感のある美しい青色は「青の中の青」と謡われ、多くの有名画家が求めた色でした。
当時、アフガニスタンでしか採掘されない希少な鉱物であったラピスラズリは、金よりも価値があるとされていたため、キリストや聖母マリアの衣類の着色にのみ使われていたとされます。
なお、ウルトラマリンは、別名「フェルメール・ブルー」とも呼ばれ、「真珠の耳飾りの少女」や「牛乳を注ぐ女」で有名な17世紀のオランダ、バロック時代の画家フェルメールが、貴重なウルトラマリンを、身分の低い女性の風刺画に多く使用されたことでも知られています。
こうした芸術作品からも、ラピスラズリの希少性や価値が推し量れます。