珊瑚アクセサリーを選ぶポイントとお手入れ方法 大人の女性におすすめ
「珊瑚」のアクセサリーというと、どんなものを思い浮かべますか? 「少し古くさい」「老けて見られそう」―― 。そんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか。
また、ムラがなく、血のように赤い珊瑚は、「血赤」「オックスブラッド」と呼ばれ最高級品とされますが、珊瑚というと、そのような赤いものを想像しますよね。
でも実は、珊瑚にはピンクや白、黒などの色もあり、さらに、柔らかく加工しやすいため、普通の宝石では絶対に真似できない、細やかで個性的なデザインのアクセサリーがたくさんあるんです。
日本をはじめとする東洋では、伝統工芸品の素材として大切にされてきた歴史もあるので、アクセサリーとしてうまく身につけることができれば、品のある、オリエントな雰囲気をまとうこともできますよ。
そんな珊瑚は、上品な落ち着きと、少しの個性をあわせ持った大人の女性にぴったり。
今回は、アクセサリーとして選ぶときのポイントやお手入れ方法に加えて、宝石としての特徴や、知っているとちょっとだけ役に立つ豆知識など、珊瑚の魅力をたくさんご紹介したいと思います。
宝石名 | コーラル(珊瑚、サンゴ) |
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結婚記念日の宝石 | 35年目 |
宝石言葉 | 幸福、長寿 |
宝石の意味 | 東洋や日本においては海の恵みを象徴する宝物 |
星座石 | なし |
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珊瑚アクセサリーを選ぶポイント
珊瑚の特徴は、他の宝石には見られない、個性的で独特な光沢にあります。また、珊瑚は加工しやすいため、さまざまなデザインのアクセサリーがありますが、その分、選ぶときにたくさん悩んでみるのも楽しみ方の一つです。
まずは、そんな珊瑚のアクセサリーを選ぶときにきっと役立つ、いくつかのポイントをご紹介します。
デザインで選ぶなら、珊瑚ならではの個性と豊富な種類を楽しみましょう
柔らかな質感をもつ珊瑚は、磨き上げたり、もとの枝状の形をいかしたり、繊細な彫刻を加えたりすることで、さまざまなデザインに生まれ変わります。
最もオーソドックスなデザインは、カボションカットや玉状に磨き上げたもの。珊瑚独特の光沢が浮かび、リング、ネックレス、イヤリングなど、あらゆるアクセサリーに柔らかなアクセントを与えてくれます。
また、質感が違うので、他の宝石を強調する「脇石」としての存在感も兼ね備えています。木の枝のようにもともとの形を生かす場合は地金や石座、石留めをアレンジして、全体を美術品のように飾ります。テーマ性が強くなるので、合わせてトータルコーディネートすると、個性をしっかりとアピールできますよ。パーティーのような華やかな場面には、特におすすめです。
さらに、彫刻の素材として使用されてきたことからもわかる通り、柔らかく加工しやすい珊瑚は、デザイナーズジュエリーやオーダーメイドでも魅力を発揮してくれます。自分だけの、オリジナルデザインを楽しんでみてはいかがでしょうか。
座金を選ぶポイントは、珊瑚の“色合い”
珊瑚は色合いによって、合う地金が少し違ってきます。
最も高価な真紅の珊瑚なら、おすすめは白色系貴金属のプラチナやホワイトゴールド。脇石としてダイヤモンドをあしらうと、モダンなイメージでまとまりますよ。
また、最近注目され始めた黒珊瑚も、プラチナやホワイトゴールドとの相性が良い珊瑚です。磨き上げるとまるで金属のような光沢が現れるため、白色系貴金属と合わせると、とてもシックな落ち着きあるジュエリーになります。
ピンク系の珊瑚なら、同じような色味、つまり暖色系の貴金属がピッタリです。特にピンクゴールドの柔らかな光沢は珊瑚の色とマッチして、包容力のある優しい印象を与えてくれます。
地金が輝きすぎると珊瑚の印象が薄れてしまうので、地金部分はマットやサテン仕上げなど、光沢をぼかしたテクスチャーにするのがおすすめです。
「価値」を大切にしたいなら、“真っ赤”な珊瑚がおすすめ
最も価値が高いとされる珊瑚は、全体が均一に赤いもの。特に「オックスブラッド(牛の血)」、日本では「血赤」と呼ばれている珊瑚は、最高級品とされています。中でも、10ミリ以上の綺麗な丸玉はとても珍しいため、希少価値の高いものとなります。
また、「エンジェルスキン(天使の肌)」や「本ぼけ」と呼ばれる淡いピンク色も、人気の珊瑚の一つです。まるでキャンディーのような柔らかさがあり、フェミニンなアクセサリーによく合います。
※ 選ぶときに、少しだけ注意しておきたいこと
珊瑚のアクセサリーを選ぶときに、いくつか知っておいてほしいことがあります。これらを知ったうえで選ぶのであれば問題ありませんが、知らずに買って後で後悔する、というのは避けたいところです。
「着色した珊瑚」と「イソバナ」
“赤い珊瑚”の中には、白珊瑚を赤く着色したものもよく出回っているので、注意が必要です。
また、イソアカサンゴやスポンジサンゴと呼ばれている珊瑚は、赤珊瑚によく似てはいますが、「イソバナ」という珊瑚の仲間で、貴重珊瑚ではありません。淡い色の脈状のスジ模様が特徴ですから、購入の際はチェックしてみてください。できることなら、購入するときは、信頼できる宝飾店で探すか、鑑別書つきのものを選ぶことをおすすめします。
表面の細かい穴と、その処理について
珊瑚は表面に細かい穴が空いていることも多いのですが、これは生物が生み出した宝石としての自然な形なので、安心してください。珊瑚の個性として考えてくださいね。
ただし、あまりにも見た目を損なうようなものや、ほこりが入って汚れの原因となるような穴の場合は、樹脂や珊瑚のかけらで埋めることもあります。宝石の処理として珍しくはありませんが、気になる方は注意して選んだほうがいいでしょう。
「なんぼや」の宝石買取について
珊瑚アクセサリーのお手入れ方法と取り扱いについて
生物がつくりあげる有機質起源の宝石である珊瑚は、人や動物の骨と同じくカルシウムを主成分としているため、鉱物起源の宝石に比べて硬度が低く、扱いが少し難しくなります。
細かい穴が空いていたり、酸やアルカリなどの化学物質に弱い性質を持っていたりするため、お手入れや取り扱いには注意が必要です。
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- 衝撃
- ×
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- 汗・脂肪
- △
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- 化粧品類
- △
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- ヘアスプレー
- ×
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- 除光液
- ×
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- 塩素系洗剤
- ×
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- 温泉
- ×
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- 紫外線
- ○
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- 超音波洗浄機
- ×
傷つきやすく、熱にも弱い
珊瑚は硬度が低いため、簡単に傷がつき、衝撃にも弱い面があります。特に指輪の場合は、ぶつけたり、擦ったりしないように注意しましょう。また、熱にも弱いので、暖房器具のそばに置くようなことも控えてくださいね。
水分に注意
また、珊瑚には「むし孔」という小さな穴や、目に見えない無数の空洞があるのですが、水分がその中に入ると、成分が溶け出したり、変質する原因になってしまいます。水分がついたら、柔らかい綺麗な布で乾拭きしましょう。
汗や化粧品に注意
汗や化粧品は、珊瑚の表面を変質させる可能性がありますので、汚れたときはすぐに拭き取るようにしてください。
お手入れのポイント
真珠や琥珀など、生物起源の宝石には共通することですが、身に着けたあとは必ず柔らかい布で乾拭きして、他の宝石と接触しないように収納しましょう。
万が一、色が変わってしまったり、傷がついたりしたときは、購入した宝飾店に相談してみるのもいいでしょう。
珊瑚の特徴 どんな宝石?「東洋の神秘」
さて、ここまで珊瑚のアクセサリーについてご紹介してきましたが、実は、宝石として扱われている珊瑚はほんの一握りであることをご存知ですか?
ここでは、宝石としての珊瑚の特徴をご紹介します。
名称 | 天然さんご |
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成分 | CaCO3+炭酸マグネシウム+有機物 |
硬度 | 3.5 |
比重 | 2.60~2.70 |
屈折率 | 不透明 |
結晶系 | 六方晶系(粒状体)、非晶質 |
産地 | 南太平洋海域、地中海、日本近海、アフリカ近海など |
そもそも「珊瑚」って?
ダイヤモンドやエメラルドが「鉱物」から作られる宝石であるのに対して、珊瑚は「生物」からつくられる宝石です。生物からつくられる宝石として有名なものには、珊瑚のほかに、琥珀や真珠などがあります。
宝石としての珊瑚は、サンゴ虫という腔腸動物が集まってつくったコロニーの土台となる骨格部分にあたります。
ただし、あまり知られていないのですが、宝石として扱われる珊瑚は、「貴重珊瑚」と呼ばれている一部の種類だけ。「宝石サンゴ」と呼ばれることも多いですね。
宝石サンゴは、正確には「八放(はっぽう)サンゴ」という分類になり、深海に生息しています。一方、海岸などの比較的浅い場所で見られる珊瑚は、「六放(ろっぽう)サンゴ」に分類され、生物学的にも種類が異なります。
珊瑚の色
珊瑚の色は、主に「赤」「ピンク」「白」の3種類。それに加えて、最近では「黒珊瑚」にも注目が集まっています。
赤い珊瑚
珊瑚というと、赤い色のものを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。赤い珊瑚の中でも、血のように深い赤色で、しかも色むらのないものは最高品質とされ、日本では「血赤」、欧米では「オックスブラッド」と呼ばれています。
ピンク色の珊瑚
赤色が最高品質とされるためか、日本ではピンク色の珊瑚を「ぼけ」と呼びます。しかし、「本ぼけ」といわれる、「ぼけ」よりも淡い色合いをした「桃色珊瑚」は、赤珊瑚に引けを取らない人気があります。
白い珊瑚
白珊瑚は、その雪のような色とみずみずしい光沢が魅力的。白さを際立たせるために、漂白処理されることの多い珊瑚でもあります。
黒い珊瑚
最近、特に注目されつつあるのが「黒珊瑚」。密度が高く、磨き上げると鉄を思わせるほど見事なツヤが出るので、シックなアクセサリーにぴったりです。
模様によって違う、珊瑚の「呼び名」
珊瑚には、模様によって違う名前がつくことがあります。
白とピンクのマーブル柄は「スカッチ」、鹿の子供の背中のような水玉柄は「鹿の子」と呼ばれ、その独特の模様を表す名がつくことが多いようです。
深海に潜むミッド珊瑚とは?
珊瑚は熱帯に住んでいる印象の強い生きものですが、実は気温が低い場所にも生息しています。たとえばノルウェーのような寒い地域でも、珊瑚は生きていけるのです。
実は寒さに強い珊瑚ですが、その中でも北太平洋のハワイ・ミッドウェー近海の水深300~400mで暮らす種は、「ミッド珊瑚」と呼ばれています。深海には太陽の光が届きませんから、触手でプランクトンを捉え、食料にしながら生きているのが特徴です。なお、こうした環境にもかかわらず深海に住んでいる珊瑚は寿命が長く、なかには8000年以上の寿命を持つものもいるのだとか。
ミッド珊瑚の特徴は白い骨格と薄いピンクやオレンジ色です。色の付き方は様々で、均一な色合いのものや斑点模様があるものがあります。なお、前者はボケサンゴに似ているということで、ボケマガイとも呼ばれています。
また、深海に生息していることから強い水圧が掛かっていることもあり、引き揚げ作業時に本体にヒビが入ることがあり、これを「ヒ」と呼んでいます。
ちなみに、ミッド珊瑚以外にも深海珊瑚は存在しています。これらはガーネと呼ばれたり、香港沖のものはミス(姫)珊瑚と呼ばれたりします。
珊瑚の豆知識まとめ 知っているともっと楽しい!
古くから愛されてきた珊瑚には、その魅力がよく表れた、さまざまな話があります。知っていると、今よりももっと楽しむことができる、珊瑚の豆知識をご紹介します。
海の木の伝説
海岸に打ち上げられた珊瑚は次第に表面が乾燥し、中の骨格部分が表面に出てきます。その形が樹木に似ていることから、海中の国に生えている木が打ち上げられて石に変化した、と昔は思われていたそうです。日本でいえば、竜宮城のような海中の世界を想像させる、そんな不思議なものだったのでしょうね。
生命力の象徴
数ある珊瑚の中でも、アカサンゴは血のように赤いことから、生命力を象徴する宝物として世界各国で扱われてきました。近くに海がないチベットやネイティブアメリカンの間では、「聖なる石」として大切にされています。宝石言葉の「長寿」とは、きっとこのイメージから生まれたものでしょう。
化石ですら宝石になる珊瑚
モンゴルやチベットなどには、珊瑚の化石を着色してアクセサリーや飾りにする文化があり、山サンゴと名付けられ魔除けのお守りとして使われていました。ただ、残念ながら、現在市場で見られる山サンゴはほとんど、海でとれた「トクサヤギ」という珊瑚の仲間を染めたものです。
珊瑚が3月の誕生石なのは日本だけ
実は、珊瑚を3月の誕生石としているのは日本だけなんです。
現在の日本の誕生石は、アメリカの宝石組合によって制定されたリストをもとに、日本の全国宝石卸商協同組合によって1985年に定められましたが、アメリカの宝石組合によるもとのリストには、3月の珊瑚と5月の翡翠は含まれていませんでした。そこで、日本で用いる誕生石リストには、日本人になじみのある宝石を入れたいと考えた宝飾業界によって、珊瑚と翡翠が加わったのです。
3月は桃の節句がある月。紅色やピンク色の珊瑚は、確かにぴったりですよね。
珊瑚アクセサリーについて最後に
いかがでしたか? 石器時代から愛されてきた珊瑚は、人類の歴史とともにあった最古の宝石といえます。鉱物起源の宝石にはない独特のカラーやツヤ、質感は、個性的な宝石としても魅力的。ジュエリーコーディネートの幅を広げる意味でも、珊瑚は、一つは持っておきたいおすすめの宝石です。
柔らかく傷つきやすいため、取り扱いは少し難しいですが、うまくコーディネートに取り入れることができれば、きっと「上品で落ち着いた大人の女性」を演出できるはずです!
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