アコヤ真珠は偽物?本物の真珠の種類や特徴をご紹介
真珠は、産地や母貝(母体となる貝)の種類により名称が異なります。さまざまな名称があるため、呼び方によっては偽物と誤解されるケースも少なくありません。この機会に真珠の種類や名称を確認しておけば、混乱を避けやすくなるでしょう。そこで今回は、真珠の主な種類・名称・特徴などを解説し、価格相場や人気の高さについてもご紹介します。
真珠の主な種類・名称・特徴など
真珠は、本物であれば「本真珠」です。本真珠には多くの種類があり、それぞれ名称や特徴は異なります。
本真珠とは
本真珠とは、本物の真珠すべてを指した名称です。偶然の産物は天然真珠、人の手が加わると養殖真珠に区別されます。代表的な本真珠には、次の種類があります。
- アコヤ真珠
- 花珠真珠
- 南洋真珠
- 淡水真珠
いずれも本真珠の一種であり、名称の違いから偽物と認識するのは誤りです。なお、偽物には、ガラスやコットンを素材に用いたイミテーションが該当します。
アコヤ真珠とは
アコヤ真珠とは、アコヤ貝から採れる本真珠の代表格です。アコヤ貝は真珠をつくれる母貝として広く知られ、真珠貝とも呼ばれています。
アコヤ真珠と本真珠の違いは、アコヤ真珠=本真珠であるのに対して、本真珠はアコヤ真珠に限られないところです。また、他の種類に比べて真珠の形が丸くなりやすい特徴もあります。
花珠真珠とは
花珠真珠は、アコヤ真珠のなかで見た目が最高品質と判定されたときに用いられる呼称です。
見た目の評価は、一般的に「巻き(真珠層の厚み)・光沢・キズ・形・色」の5項目で判定されます。ただし、「花珠」は日本の真珠業界に伝わる慣例的な表現であり、正式な分類名称ではありません。
南洋真珠とは
南洋真珠は、南洋産の貝から採取できる真珠です。細かく分類すると、南洋黒蝶真珠と南洋白蝶真珠の2種類があります。
南洋黒蝶真珠は、黒蝶貝が母貝になる種類です。黒蝶貝はタヒチが代表的な産地であり、真珠の色はブラック系・グリーン系・レッド系・グレー系などバリエーションが多彩です。
南洋白蝶真珠は、南洋最大の母貝と評される白蝶貝から生まれます。母貝のサイズが大きいため、真珠は直径19mmほどに育つケースも見られます。
淡水真珠とは
淡水真珠は、海に生息するアコヤ貝などと異なり淡水産の貝が母貝になる種類です。
淡水に生息する母貝の代表例としては、池蝶本真珠を採れるイケチョウ貝が挙げられます。池蝶本真珠と本真珠のうちアコヤ真珠との主な違いは、母貝の生息地と真珠の数です。
アコヤ真珠は1つの母貝につき一粒ですが、池蝶本真珠は複数個を採取できます。
なお、いずれの種類も偶然に生まれる天然真珠は稀少性が高く、古くから国内外で珍重されてきました。
真珠の価格相場や人気の高さ
真珠の価値は、種類や品質によって決まってきます。真珠1粒の価格相場は、標準レベルで5,000~10,000円、高級品は20,000~30,000円といわれています。
アコヤ真珠の値段
アコヤ真珠は丸い形が多く、世界的に人気です。また、輝きの美しさにも定評があります。そのため、アコヤ真珠の値段は、基本的に高くなる傾向が見られます。
とはいえ、他の種類と比較することは困難です。たとえば、「南洋真珠とアコヤ真珠 どっちが高級?」と聞かれた場合、それぞれ異なる魅力があり「どちらも高級品」と回答するのが妥当といわれています。
ただし、1つの母貝から一粒しか採れないため、複数個を採取できる淡水真珠より高額になるケースが多くなります。
日本産の養殖真珠も人気
日本では、以前からアコヤ真珠の養殖が盛んです。日本産の養殖真珠は総じて品質が高く、海外でも「和珠」と呼ばれるほど高い人気を誇ります。
国内で最初に真珠の養殖を成し遂げた人物は、「ミキモト」の創業者である御木本幸吉です。ミキモトでは、厳格な基準により「花珠真珠」と呼べる最高級品が「ミキモトパール」と認定されています。
現在、国内の産地としては、三重県の伊勢志摩・愛媛県の宇和島・長崎県の壱岐・対馬などが有名です。ただし、環境変化の影響もあり、生産量は低下しています。
真珠は魅力あふれる宝石
真珠は、いずれの種類も魅力あふれる宝石です。天然真珠は稀少であり、日本の養殖真珠も減少傾向にあり、最高級品でなくても高い価値を有すると考えられます。
お手元にご不用品がある場合、適切に評価できる専門店に売却するのが望ましいでしょう。どこに売却すればよいか迷われた際は、いつでも気兼ねなく「なんぼや」にご連絡ください。