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【更新:2024年11月】金の価値が下がる5つの要因

【更新:2024年11月】金の価値が下がる5つの要因

投資対象として「金」を検討するときに、気になるのは「これから先、金の価値が暴落することはあるのか」という点です。

これまで急激に上昇してきた、金の取引価格。この流れのままずっと上昇していくのであれば、「安いうちに購入しておくのがお得」ということになります。

しかし反対に、「その価値が大幅に下がる」というリスクがあるなら、購入は慎重に決定する必要があるでしょう。

金の価値が下がることはあるのか。もしもあるとしたら、どのような場面が考えられるのか、気になる点を考察してみます。


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急激な上昇と最近の傾向について

金の価値が今後下がるのか、さらに上昇していくのか。投資対象として検討する上では、非常に気になるポイントと言えます。

さらに上昇していくのであれば、「今が買い時」と言えますし、反対に下がることが予想されるなら「今は売り時」と考えられます。

将来を予測するためには、まずは「過去の動き」をおさらいしてみましょう。

2000年代以降、上昇してきた金の価値

2000年代以降、上昇してきた金の価値

金の価値の上昇が盛んに報じられるようになったのは、2000年代以降のことです。昔購入した金を高く売却でき、喜んだ方も多いのではないでしょうか。

この時代の金の価格の上昇には、以下のような理由が関わっています。

  • 金の供給の減少
  • 有事
  • 経済バランスの変化
  • ドルの信用低下

地球上に存在する金の量は決まっており、すでに半数以上が採掘されてしまったと言われています。金の供給量が減少することで、自然とその価値は高まります。

また戦争やテロなど、有事の際には安全資産と言われる金が買われやすくなります。

さらに新興国の成長とともに世界経済のバランスに変化が生まれ、アメリカの経済に対する不安からドルの信用が低下し、その分金を求める方が増えたと言われています。

このような状況の中、「限られた供給量の金を、より多くの人が求めあう」という構造が生まれたことで、金の価値はどんどん上昇してきました。

ここ数年は横ばいに

とはいえ、金の価値の上昇傾向は、ここ数年でいったん落ち着きを取り戻しています。依然として高値であることには変わりがありませんが、それまでの10年のように、急激に上昇しているわけでもありません。

「価値が下がる」とまではいきませんが、「もうかると聞いて金を購入したのに、思ったよりももうからない」と感じている方も多いのかもしれません。

金は、そのほかの資産と比較して安全性が高いと言われていますが、「その価値が絶対に下がらない」というわけではありません。

今後、金の価格が下がるというリスクについても、きちんと考慮しておくべきでしょう。

金の価格が下がる原因は?

金の価格は、どういった事態によって左右されるのでしょうか。
ここでは、金の価値に関わる5つの要因をご紹介します。

経済不安や株価の下落

金は「有事の資産」ともいわれ、不景気になったときに価値が高まります。世界中のどこでも換金できるため、たとえその国の通貨の価値が下がっても、金があれば安心です。そのため、経済不安や株価の下落は、金の価値を上昇させます。資産分散して金を保有しておくことで、リスクヘッジする投資家が増えるためです。

一方で、経済が安定し株価が上昇した際には、自国に関わる金融商品への投資が有利となるため、相対的に金の価格が下がる傾向にあります。

ドルへの不安

ドルと金は、逆相関の関係にあると言われています。
例えば、アメリカ経済が好調となりドルの価格が上がりますと、金の価値は下がる傾向にあります。そのため、金を所有される方にとっては、ドルの為替レートも気になる情報になるでしょう。

原油価格の高騰

原油と金の価格は、リンクする傾向にあります。原油価格が低落すれば金の価格も下がります。
一方、原油価格が上がるのは、戦争や経済不安により供給量の低下が心配されるときです。そういったときは、安全な資産である金の価値も高まります。

社会不安や戦争リスクの高まり

国際関係のバランスが崩れ、戦争のリスクが高まりますと、有事の資産である金の価値は上昇します。世界情勢のバランスは意外なところから崩れていきます。
1929年に起こった「大恐慌」や、記憶に新しい「リーマンショック」など、金融危機によっても社会不安は高まり、金の価格が相対的に上がっていきます。
そのため、世界情勢が安定するほど、金の価格も下がりやすくなると言えるでしょう。

低金利

金利が低いと、預金によって資産を増やすのが難しくなります。現金ではなく、別の形の資産の方が増やしやすくなるのです。こういったときも金には価値が上がります。

現在、世界的に金利は低い傾向にあります。特にリーマンショック以降、アメリカドルの金利が下がったことが金の価格高騰を助けました。
こうして考えますと、金の価格が下がるのはやはり“経済の安定”がキーワードになると言えます。

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今後金の価値が下がることはある?

ご紹介したとおり、金の価値は様々な要因によって上下します。
現在の世界情勢は経済不安・ドルの信用低下・原油価格の高騰・低金利など、金の価値を上昇させる条件がそろっていると言えます。
ただ、このまま金の価格が上昇し続けるというわけではありません。株価の上昇や低金利の見直しなど、金の価格が下がるような動きもみられます。

ただ、こういった動きのために金価格がすぐに下落することはありません。金は依然として有限で、希少性の高い資産です。金投資や宝飾品需要のほか、工業用途でも幅広く用いられています。金の需要は消えることはなく、一定の価値を保ち続けるでしょう。

とはいえ、今後アメリカが経済を立て直し、ドルの価値が上昇するとも限りません。そうなると相対的に金の価値は今よりも下がっていきます。
金投資を始める際は、金の価値が下がるリスクも考えておきましょう。

金への投資は長期的な目線で

金への投資は長期的な目線で

金が持つリスクとリターンについては、長期的な目線で捉えることが求められます。
とくに、金の価値が高い現在については、価値下落の原因を理解し、多角的な観点から評価をしていく必要があるでしょう。
細かな上下よりも、世界情勢や経済に関わる情報をキャッチしながら、その動向を見守ってください。

その中で、今回ご紹介した「金の価格が下がる原因」に結びつくものは確実に頭へインプットしておくべきです。
世のあらゆるものは相互につながりを持っています。新聞に小さく書かれていたニュースが、最終的にはドルの価格上昇を招き、金の価格を下げることにつながるというケースもないとは言い切れません。金を所有する投資家たちや、世界的な需要を考えながら、どんなときが売り時なのかを自分なりに考えるようにしましょう。

なお、金の価格が下がるのはリスクばかりとは限りません。冒頭でもご紹介したとおり、価格が下がっているときは購入がお得になります。
こうした“買い時”を見抜くという意味でも、金の価格が下がるタイミングには注目しておきましょう。

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水野崇

水野様

キャリア20年超の株式トレーダー。講演・講師、取材協力、テレビ出演など多方面で活躍する独立系FP。LEC専任講師(法人事業本部)。学校法人専門学校東京ビジネス・アカデミー非常勤講師。テレビ朝日『グッド!モーニング』、BSテレ東『マネーのまなび』などに出演。日本FP協会「2021年FP広報センター」スタッフ。

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