白金(プラチナ)とは?色の似たホワイトゴールドとの違い
白金は、名称からもイメージが付く銀白色が美しい貴金属です。指輪などのジュエリーのほか、産業用途などにも広く用いられ、近年は需要も拡大しています。今回は、そんな白金の特徴や、色味が似ているホワイトゴールドとの違いなどについて解説します。
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白金の色や意味、金属の特徴
白金は白金族元素に属す元素のひとつで、元素記号「Pt」で表されます。日本以外ではプラチナと呼ばれます。ちなみに、白金自体はプラチナの学術用語です。また、特性としては比重と融点が非常に高く、溶解には高温の酸素炎が必要です。なお、白金族元素には、ホワイトゴールドのコーティングで用いられるロジウムやルテニウム、イリジウムなどがあります。
ちなみに、同じく白い輝きを持つ銀も、昔の和名では白金と呼称されていました。ただし、よく見ると白金は銀よりもやや落ち着いた輝きです。これは、光の反射率が関係しています。銀の反射率は90%以上。一方白金は70%~80%の反射になるため、比較的暗い色に見えるのです。
白金の配合と刻印
白金を使ったジュエリーに使われる合金には、配合が異なる4種類があります。それぞれ千分率で品位が示されます。
品位が850 | 割金の割合は、15% |
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品位が900 | 割金の割合は、10% |
品位が950 | 割金の割合は、5% |
品位が999 | 割金の割合は、0% |
なお、品位999、割金含有率0%は、ほぼ白金100%の純プラチナを示します。
また、上記のような白金製品には、「PT」「Pt」「Plat」「PLATINUM」という刻印が先頭に示されます。たとえば品位が950のものは「Pt950」といった表記になります。
白金の用途
ジュエリーなどにも多く使われている白金ですが、実は産業用途でも活躍しています。たとえば自動車産業においては、排気ガス浄化装置の排ガス浄化触媒として活用されています。また、燃料電池車に使う燃料電池にも白金は有用です。耐酸性や耐食性が求められる電極版には、白金が最適です。
そのほか、金属アレルギーのリスクが低いという特性が注目され、医療器具や医薬品にも白金が活用されています。
白金と色の似たホワイトゴールドの特徴
ホワイトゴールドは、金に銀や銅、パラジウム、亜鉛などの金属を混ぜ合わせた合金です。 関連記事金とプラチナ、それぞれの種類と特徴とは?
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作られた当時は、白金が人気となっていた背景がありました。しかし、希少性が高い白金で作るジュエリーは高価です。そのため、より低いコストで白金の輝きを表現できないかという研究が行われました。結果、金にホワイトを混ぜ込むことで、白金の輝きを再現したのがホワイトゴールドです。
なお、ホワイトゴールド単体だと金の黄色味が残ってしまします。そのため、より白金に似せるために、表面をロジウムコーティングし、より見た目を似せたものもあります。
ホワイトゴールドの配合
割金の配合にはいくつかパターンがあります。たとえば、K18(18金)をベースにしている場合は、金75%、パラジウム25%の割合でホワイトゴールドとなります。また、K14(14金)をベースにすることも可能。この場合は、金58.5%、銀10%、銅10%、パラジウム20%、亜鉛1.5%が割合となります。
なお、割合によって合金の特性は変わります。たとえば割金の量が多ければ硬度が高くなりますが、比重は低くなります。また、金の含有量が多ければ、価値が高くなります。
「WG」はホワイトゴールドの刻印
貴金属製品には刻印を入れるというルールがあります。ホワイトゴールドには、WG(White Gold)が正式な表記です。場所は金の含有量を示す「K○○」の後。例えば18金の場合は、「K18WG」という刻印になります。
色以外の白金とホワイトゴールドの違い
ホワイトゴールドには白金を参考に作られたという経緯があり、見た目がよく似ています。また白(=ホワイト)金(=ゴールド)という名称も、ホワイトゴールドと混同される原因となっています。
ただし、すでにご紹介したとおり、両者はまったく別の金属です。そのため、よく似た外観であっても、色味や価値、重さ、変色のしやすさなどに違いがあります。
色味
白金は素材そのものの色味が銀色であり、変色しない限りはそのままの輝きが維持されます。一方、ホワイトゴールドの地金は淡いイエローを帯びた銀色です。シャンパンゴールドがより白色に近づいたイメージとも言えます。
他方、ホワイトゴールドのなかにはロジウムコーティングが施されたものもあります。これは白金と同じ銀白色なので、見た目がかなり白金に近くなります。ただし、一度コーティングが剥がれれば、中身はホワイトゴールドなので、地金の色味が表面に現れます。
変色のしやすさ
前提として、白金は安定性の高い金属であり、汗や皮脂などによって化学反応を起こしにくい特性を持ちます。純度の高いものであれば、ほとんど変色の心配はありません。
一方、ホワイトゴールドは経年によって変色が見られることがあります。とは言え、こちらもそこまで不安定ではなく、汗がついた程度で変色が起こるようなことはありません。
ただし、白金もホワイトゴールドも、中に割金が含まれている場合には変色を起こす可能性が高まります。これは、銀や銅などの合金が硫化水素などの影響で黒ずむことが原因です。
また、メッキ等のホワイトゴールドに関してはコーティングが剥がれると地金が現れます。化学反応による変色ではありませんが、色味が変わるという意味では注意が必要です。
重さ
白金とホワイトゴールドは比重が異なります。比重とは体積1cm3のあたりの重さのことで、水1.00を基準として示されます。そのため、まったく同じデザインや形状であったとしても、重さに違いがあります。
Pt999の白金の比重は21.45です。一方、K18WGのホワイトゴールドの比重は約15.50~18.00。つまり、ホワイトゴールドのほうが軽くなります。
白金は身に着けたときに安定感のある重量を感じられます。他方、ホワイトゴールドは軽量で、圧迫感を感じにくい印象です。どちらが良いかは、好みによるでしょう。
強度
単純な強度という意味では、ホワイトゴールドが優れています。金自体は柔らかい素材なのですが、ホワイトゴールドを造るためにはいくつかの貴金属を混ぜ合わせる必要があります。その際に強度が高まるのです。
とはいえ、白金が傷付きやすいとは言えません。ジュエリーなどにされる場合には割金を使うことも多いので、日常生活で使う分には問題ない程度の硬度を実現できます。純度が高いものについてはある程度気遣いが必要ですが、一般的なプラチナ・ジュエリーであれば傷や変形に対する心配はありません。
なお、硬度が低いという特性は、メンテナンスがしやすいということにもつながります。汚れたり傷が付いたりしても、洗浄や研磨などによって白金本来の輝きを取り戻せます。一方、ロジウムコーティングが施されたホワイトゴールドについては、コーティング剥がれにつながる傷に注意が必要です。
アレルギーの起こりやすさ
素材としての白金とホワイトゴールドを比較した場合、アレルギーが起こりやすいのは後者です。これは、ホワイトゴールドがニッケルやパラジウムなどの割金が使われた合金だからです。金自体はアレルギーを起こしにくい金属ですが、割金が症状を誘発する可能性があります。 関連記事【更新:2024年11月】プラチナの見分け方は?刻印や磁石を使った鑑定方法をご紹介
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一方、高純度の白金はアレルギーをほとんど起こしません。ただし、ホワイトゴールドのように他の割金が含まれた合金になると、アレルギーの可能性がやや高まります。
希少価値
前提として、白金は本来、金よりも希少性の高い貴金属です。たとえば2008年で比較すると、グラム当たりの年時平均が白金5,409円、金2,937円と大きな差がありました。 関連記事金の種類とその価値とは?
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理由は採掘量の差にあります。白金の産出国は南アフリカ共和国やロシア、南米の各国です。諸説ありますが、これまでに採掘された白金の量は6,000t程度とされています。これは金の約1/3の量です。需要が十分あり、供給量が少なければ価値が高まります。そのため、従来は白金の価値が金を圧倒していました。
しかし、リーマンショックの際に起こった自動車販売不振によって、一時価格が暴落しています。実は白金は金に比べ、工業用途でも多く利用されています。そのため、経済や産業の影響で需要が低下すると一気に価値が落ちてしまうのです。
なお、その後の世界経済不況によって、白金の相場は低迷を続けます。2020年末頃からは徐々に上昇傾向が見られますが、まだまだ金には及ばないというのが現状です。
白金は強度と美しさを兼ね備えた貴重な金属
白金の美しい白銀色は、多くの人を虜にしてきました。ホワイトゴールドは、その人気にあやかったものとも言えるでしょう。ただし、金属の性質や細かな色味については違いも多いため、混合しないようご注意ください。